ヤフオクやメルカリで尺八を買う時に注意すべきこと

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尺八は高い楽器なので、なんとか安く手に入れたいと思う気持ちはわかります。

もう少し安くならないものか?と思う反面、実際にその楽器の作り方や楽器を作るのに必要な時間等を考えると、決して安くはないのも仕方のないこと。

とはいえ、その価格が納得できるものであったとしても、購入予算にはそれぞれの事情で限度があり、安く押さえたいというのも事実。

安く購入できる可能性のある方法として、ネットオークションやフリマアプリによる個人間売買があります。

これらの売買で楽器を購入するのはどうなのか?

実際に買った経験も踏まえて、私の見解を述べたいと思います。

購入前に

実際にこれらのネットを通じた個人間での売買には、一般的に言われるような注意事項の他に、尺八を購入する場合、特に私が他人に購入する場合にアドバイスしたい内容についてお伝えしようと思います。

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出品内容の確認

出品内容を確認するのは、これらの個人間売買ツールの基本ではありますが、特に下記の点について注意して確認してみてください。

出品者が尺八を知っているか?

尺八を出品している人の半数は、尺八についての知識が全く無いと思われる出品者です。

これらの出品者の中には、価値がわかっていないために安く売っている人もいますし、逆に高くふっかけている人もいます。

私が見かける例として、よくあるのは下記の様な例

一見わかりにくいですが、上下の裏表が間違って組み立てられています。

このような写真がかなりの数オークションなどで上がっているため、尺八を全く知らない出品者が他の出品者を参考にして誤った認識が伝搬しているのか?

それとも、1/2の確率で正しいと思っている組み方が間違っているのか?

いずれにしても、このような写真を載せている人は尺八のことを何も知らない素人であることは間違い有りません。

このような出品者から、楽器の情報を正しく聞き出すことは困難になります。

安く売ろうとしている場合は問題有りませんが、銘が入っているとか、第三者に売値がいくらくらいだとか変な情報を吹き込まれていると高額な値段設定になっていることがありますので、注意してください。

私の基準ではこのタイプの出品者で5万円以上の値段をつけている場合は候補から外します。

楽器の状態についての確認

楽器の状態についての確認も必ず行っておく必要があります。

特に、割れがあるか無いかは必ず見ておく必要があります。

割れていると楽器として使用するためには割れを修理しなければならず、自分で直せる人でなければ、工房に依頼することになります。

この場合、割れの程度によりますが、場合によっては数万円の修理代が必要になることが有り、このような追加の出費が必要になってしまうので、慎重に確認してください。

買ってはいけない人

下記に挙げる条件に当てはまる人は、ヤフオクやメルカリで楽器を買うことをやめたほうがいいと思います。

1本目の楽器を買う人

始めて楽器を買う場合に安く手に入れたいからとネットで買うことはおすすめできません。

それは、その楽器が良いものであるかがわからないからです。

たとえ有名な銘の楽器であったとしても、何らかの改造が施されている可能性だってありますし、有名な銘の楽器であれば安く買える可能性は低くなります。

安く、誰にも注目されていない楽器を選ぶということは、そこに確かな目利きスキルが必要になってきますが、初めて楽器を購入する人にこれらのスキルが有るわけは無いのです。

漫画やドラマのような奇跡や偶然の出会いで名器に出会うことがあるんじゃないか?なんて期待をしたくなる気持ちは解りますが、少なくとも、誰もが見られるネットの世界で、そのような名器が出品されていれば、あなたよりも先に購入希望者が付いていることでしょう。そして、このような購入希望者はその楽器の価値に見合うだけの予算を覚悟しているならば、あなたに勝ち目は有りません。

何を買っていいかわからない人

そもそも何を買ったらいいのか全然わからない場合、ただただ迷うだけで時間の無駄になります。

迷っている時間を尺八上級者の知人や先生に相談すべきです。

なお、間違っても迷った結果一番安くて写真写りが良さそうだから、というような理由だけで購入すると後悔することになると思います。

特に、割れている場合は。

初心者では割れていると音が出ないということが理解できない可能性もあり、実力ではなく楽器のせいで音が出ずに嫌になってしまう可能性もあるからです。

買っても良い人

ほとんど上記の買っては行けない人、の裏返しではありますが、下記のような人はヤフオクやメルカリで楽器を買っても良いと思います。

2本目以降の楽器を買う人

少なくとも1本楽器を持っていてある程度の演奏力を持っている方であれば、新しい楽器を手に入れることも一つの成長になると思います。

2本目の8寸管を購入するのもいいし、別の長さの楽器を買って自分の演奏の幅を広げても良いでしょう。

写真などから、自分の求めている楽器であるかをよく確認してください。

歌口の形状や地無し、地あり、何寸管なのか?などなど

ただ、いずれの場合も、自分が思い描くような楽器が買えるとは限らないため、ある程度リスクを覚悟する必要はあります。

銘の良し悪しを理解している人

私はあまり銘に詳しく無く、また特定の銘を挙げることは控えたいと思いますが、例えばすでに持っている楽器と同じ銘のものであるとか、知り合いや先生が使っていることがわかっていて、楽器としての特性などを理解している人の場合は購入しても良いでしょう。

ただ、場合によっては、銘だけで高い値段設定での出品も多く見受けられるため、これらの楽器をわざわざリスクを犯してまで買うべきか?という疑問はありますが、このタイプに分類される方はそれらも全部理解した上で購入されると思いますので、問題ないかと思います。

当たり外れを楽しめる人

ある意味お金に余裕があって、古い楽器など面白そうなものを探しているという場合はむしろこれらのツールはベストだろうと思います。

私は安くて無名な当たり管(自分的に値段以上の価値を見いだせる楽器)を探して時々ヤフオクを覗いていたりします。

最近は、値段がこなれてきてしまったのか、あまり安くて掘り出し物の可能性がある楽器を見つける機会が減ってきていますが、それでもそんな中から自分が求めている楽器が安く手に入るかどうかを楽しめるようであれば、積極的に活用してみたほうが良いと思います。

修理や改造の練習台を求めている人

職人を目指していたり、自分の趣味で尺八を作っている人などもいらっしゃるかと思います。このような方にとっては、割れていることが予めわかっていて、壊れているからこそ安く購入することのできる楽器を探すにはもってこいのツールだと思います。

尺八を作っている知り合いなんかも、ヤフオクで安く割れた楽器などを買って直したり、内径などを改造する練習に使ったりしていたそうです。

まとめ

ヤフオクやメルカリはうまく使えばとてもいいものを安く購入することができる可能性があることは間違い有りません。

しかし、尺八は他の楽器にも多く見受けられる手作りという職人さんの技と時間をかけて作られていることに加えて、一つ一つの楽器が竹そのものの形状や長さを活かして作られているため、どうしても同じ職人さんが作っても、個性がそれぞれ出てしまいます。

ある程度実力を身につけて、金銭的にも余裕がある時に、ハズレを引いてしまったらそれがハズレだとわかるだけの技量と、諦められる気持ちの余裕がある人以外は、手を出すのはやめておいたほうが良いかと思います。

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