尺八初心者によくある悩みの一つ、息が苦しくなることについて考察してみたいと思います。
必ずしもこの法則に当てはまるわけではないかもしれませんが、私が見てきた限りでは初心者の多くが当てはまると思います。
この記事の目次
原因
吹奏楽器共通の悩み?
吹奏楽器を演奏する上で息が苦しくなるという状態は多かれ少なかれ必ず立ちはだかる壁として出てくると思います。
尺八も同様です。
むしろ、尺八は音を出すことが難しい楽器である(と思い込んでいる人が多い?)ことから、他の吹奏楽器よりもその傾向が強いように感じます。
無駄に息を使ってしまうんですね。
しかし、何故楽器を演奏しようとすると、運動もしていないのに息苦しくなってしまうのでしょうか?
何故息が苦しくなるのか?
2秒で息を吐ききるということ
尺八の場合、音を出そうとして一生懸命息を吐き出そうとします。
ひとによっては誕生日ケーキのろうそくの火を消そうとするが如く強く吹いてしまう人もいますし、そうでなくても、初心者は効率のよい生きの使い方ができないので、音にならないまま息を一生懸命使って音を出そうとします。
その結果、2秒とかからずに息をすべて吐ききってしまう方が多いのです。
そして、慌てて息を吸って、また2秒で息を吐ききります。
これは、1分間に30回もの呼吸をするというペースになります。
学校の体育で行った持久走にゴールした時や、運動不足の方が久々の運動でフットサルを行った際、ふと気がつくと、「ハァハァ」と荒い息遣いになっていますね?
人によりますが、あの状態が1~2秒に1回のペースになると思います。
試しに、座って落ち着いた状態で、1~2秒に1回呼吸をしてみてください。
どうでしょうか?
なんだか苦しいはずです。
楽器を演奏しようと集中している時、あなたはこのような息で演奏しようとしているのです。
これでは、苦しくならないはずはありません。
普段の呼吸はどういうリズムか?
安静にしているときの呼吸は、個人差や男女・年齢などでも異なると思いますが、
1分間でおよそ10~15回程度
の呼吸をしているはずです。
つまり、1呼吸が4~6秒くらいかけて行っているのです。
楽器を演奏する場合も、部分的には演奏を優先してこのような呼吸を乱す必要があるかもしれませんが、この呼吸を基本のペースにしておかないと、誰でも苦しくなってしまうと思います。
通常の呼吸は、吸気1に対して呼気2の割合で時間を使っていると思います。
例えば、深呼吸をしてください、と言われた場合、
- 2秒かけて大きく息を吸って
- 2秒かけて力を抜いて勢いよく息が抜け
- 2秒間、自然とゆっくり息が漏れる状態(ほぼ無呼吸に等しい?)状態が続きます。
このような呼吸が通常の状態になっていると思います。
解決方法
普段通りの呼吸リズム
演奏中、通常の呼吸に近いリズムを目指すことで、息苦しさから開放されます。
しかし、2秒かけて息を吸って2秒でほとんど吐ききってしまっては演奏になりません。
従って、演奏の際には、短い時間で息を吸い込み、
4~6秒かけて吐くようにしてほしいのです。
そのために、こころの中で5を数えるつもりで演奏してみてください。
5を数えるのは、
「いーちー、にーい、さーん」
かくれんぼで10数えるペースではありません。
頭の中で時計の秒針をイメージして1、2、3、4
と数えます。
多くの人は数え始めた瞬間に1を数えるので、実際には4しか数えていないかもしれませんが、それで問題はありません。
1秒も正確でなくていいです。
あくまで、普段の呼吸のペースに近づけることが目的なので、正確さは必要ありません。
また、うまく出来ずに息をすべて吐ききってしまうかもしれません。
それでも良いんです。
長く持たせようという意識が大切になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
息が苦しいというのは、普段の呼吸とペースが全く異なって、楽器と関係なく苦しい呼吸をしているんだということがおわかりいただけたのではないでしょうか?
息を短く使い切ることが苦しい原因であるということがわかって、普段の呼吸が4~6秒の時間をかけて行っているのだから、そのような呼吸であれば苦しくないハズだと理解していただければ、
少しずつ息の使い方が変わって、苦しさが改善されていくと思います。